2024年3月、ミネルヴァ書房より『長期実践型インターンシップ入門』を編著として出版いたしました。本書は、これまで研究と実践の現場で蓄積してきた長期実践型インターンシップに関する知見を、26名の執筆者陣で結集した一冊です。発売以降、多くの大学関係者・企業の人事ご担当者・コーディネーターの皆様にお手に取っていただき、心より感謝申し上げます。
本記事では、本書の概要、執筆に至った想い、そして読者の皆様にお届けしたいメッセージをご紹介させていただきます。
本書の特徴
特徴は、長期実践型インターンシップを、学生・企業・大学・コーディネーターの4者の視点から多角的に捉え直した一冊であります。

長期実践型インターンシップとは、学生が一定期間(数週間〜数ヶ月)企業や地域の現場に深く入り込み、本気で課題に取り組むタイプのインターンシップを指します。短期型インターンシップが主流のなか、より深い学びと変容をもたらす長期実践型は、「インターンシップを単なる就職活動の手段ではなく、長期的なキャリア形成の基盤を築く教育プログラムへ」という視点を提示するものになります。
本書の主なポイントは以下の通りです。
- 長期実践型インターンシップ経験者の追跡調査と体験談集
- インターンシップをキャリア形成に最大限活かす方法
- 学生・企業を結びつけるコーディネーターからの的確なアドバイス集
- 役立つWebサイト・関連情報を紹介する充実のコラム21本
章構成
第1章 インターンシップとは何か
インターンシップの基本概念から、種類、アルバイトやボランティアとの違い、最新の動向まで、最初に押さえておきたい基礎事項を体系的に解説しています。インターンシップに参加する学生、学生を受け入れる企業の初任者まで、はじめて学ぶ方が「インターンシップとは何か」を理解できる構成です。
第2章 参加してみたい長期実践型インターンシップの特徴
長期実践型インターンシップが、学生・企業の双方にとってどのように Win-Win なプログラムとなりうるのか。具体的なプログラム例や、参加するメリットを多角的に解説しています。
第3章 あなたを変える長期実践型インターンシップの経験談集
実際に長期実践型インターンシップを経験した方々の生の声を、複数の事例として収録しました。「コロナ禍に地域中小企業経営者のミギウデとしてインターンシップを行った経験」「インターンシップから天職に出会った経験」など、リアルな経験者の証言が、本書の核となる部分です。
第4章 良いインターンシップ・悪いインターンシップ
成功する学生と失敗する学生の違い、学生から見た「良いインターンシップ」「悪いインターンシップ」の差を、率直に分析した章です。インターンシップを「やってよかった」と言える経験にするための条件を、現場の視点から明らかにしています。
第5章 有益なインターンシップにするための秘策
事前学習・実践中の伴走・事後リフレクションなど、効果を最大化するための具体的なノウハウを、実践で使えるワークシートとともに紹介しています。明日から使える、現場のための章です。
26名の執筆者陣による「共創の本」
本書のもう一つの特徴は、長期実践型インターンシップの最前線で実践と研究を続ける26名の執筆者陣が結集したことです。
研究者だけでなく、実務家教員、コーディネーター、企業担当者、卒業した経験者、地域の中間支援団体など、それぞれの立場で長期実践型インターンシップに深く関わってきた方々にご参加いただきました。
執筆者(編著者・共著者): 今永典秀(編著)、市川大祐、伊藤淳司、岩出朋子、岡本竜太、掛川遥香、木村亮介、桑畑夏生、佐々木梨華、篠田啓介、白木邦貞、新村拓也、須子善彦、髙木朗義、髙濱優子、田中勲、棚瀬規子、中川玄洋、浜中裕之、坂野充、松林康博、水谷衣里、南田修司、宮原知沙、森山奈美、渡辺一馬
一人では決して書き得なかった本書は、まさに「共創の本」として完成したものです。ご協力いただいた皆様、誠にありがとうございます。そして、このメンバーの多くが、CoIU(Co-Innovation University)でご一緒いただく仲間になります。改めてこれからもよろしくお願い致します。
想定する読者
本書は、長期実践型インターンシップに関わるすべての立場の方々にお読みいただける一冊です。
学生の皆様 インターンシップに参加する前の準備、参加中の心構え、終わった後の振り返り方まで、有意義な経験にするためのヒントが詰まっています。
大学の教職員の皆様 インターンシップ科目の設計・運営、事前事後教育のカリキュラム作成、コーディネーター機能の構築など、教育プログラムを充実させるための実践的な指針となる内容です。
企業の人事・採用ご担当者の皆様 学生たちが何を求めてインターンシップに参加するのか、企業として何を提供すべきか、採用と育成の両面で得られる効果を最大化するための視点をお伝えします。
コーディネーター・中間支援組織の皆様 学生・企業・大学の3者を結ぶコーディネーターの役割と専門性について、研究と実践の両面から深く掘り下げています。
研究者・大学院生の皆様 キャリア教育、産学連携、地域人材育成などの研究に取り組む際の文献として、参考にしていただける内容です。
書籍をベースとした論文・寄稿
本書の発売後、書籍の知見をベースとして、専門誌『商工金融』(2024年8月号、商工総合研究所)に「中小企業にとっての長期実践型インターンシップの活用意義」を寄稿しました。
書籍では多角的にインターンシップを捉えた一方、論文では中小企業の経営者・人事担当者向けに、より具体的に「中小企業がなぜ長期実践型インターンシップに取り組むべきか」を、コーディネーターの果たす役割や、地域・中小企業にとっての価値・意義(事業成果、若者との協働、新卒採用に向けた進化)の観点から論じています。
本書とこの論文を併せてお読みいただくことで、長期実践型インターンシップが学術的にも実務的にも持つ意義を、より立体的にご理解いただけるかと思います。
インターンシップに関するルール改正と本書の意義
本書は2024年に出版されましたが、インターンシップは「採用直結型」へと大きく舵を切りましたが、改めて、長期実践型インターンシップへの注目はますます高まっています。新しい時代のインターンシップを構想するうえで、本書で扱った設計手法・運用ノウハウ・効果検証の知見は、今こそ読まれるべき内容となっています。
実際、書籍出版以降、東京中小企業投資育成株式会社、日本能率協会、愛知中小企業家同友会、宮城県、厚生労働省など、多くの場で本書の内容をお話しする機会をいただいてまいりました。
共著者・関係者の皆様への御礼
本書は、私一人の力では決して完成し得なかったものです。執筆をご一緒した26名の研究者・実務家・コーディネーター・企業の皆様、それぞれの現場で蓄積された知見を惜しみなく持ち寄ってくださった全ての方々に、改めて感謝申し上げます。
特に、本書の編集・刊行にお力添えいただいたミネルヴァ書房の皆様には、心より御礼申し上げます。本書を世に送り出すまでに、丁寧なディスカッションと校正のプロセスを共にしていただきました。
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本書は全国の主要書店、オンライン書店でお求めいただけます。
書籍情報:
- 書名:長期実践型インターンシップ入門
- 編著:今永典秀
- 出版社:ミネルヴァ書房
- 発行:2024年3月
- 仕様:四六判 224ページ
- 価格:2,000円+税
- ISBN:9784623097142
講演・研修・セミナーについて
本書のテーマである長期実践型インターンシップについて、企業向け研修、大学教職員向け研修、自治体・中間支援組織向け講演を承っております。本書の内容を踏まえたカスタマイズ講演や、御社・貴自治体専用のプログラム策定支援も可能です。
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引き続き、皆様のお力添えをいただきながら、頑張る人が報われる世の中をつくるため、研究と実践を続けてまいります。本書が、関わる方々のインターンシップの取り組みを、少しでもよいものにする一助となれば幸いです。