ノリノリでインターンシップ研究(Vol.5):インターンシップの「全体地図」を描く――「短期か長期か」を超えた分類。

この記事の要約
「インターンシップ」という一語は、半日の会社説明から半年間の事業プロジェクトまでを指しています。そのため、企業・学生・大学の議論も、研究者同士の議論も、しばしばかみ合わないことも多くあります。

インターンシップを「前提条件」「プログラム設計」「効果の把握」の3層で捉え直し、就業体験の実質度6段階と主導主体3区分を掛け合わせた地図の上に、日本で行われている12の類型を配置してみました。

さらに、いつ・何で効果を測るかを整理し、この領域を担ってきた12の研究分野を示したうえで、研究が進みにくかった理由を「6つの断絶」として構造化して提示してみました(あくまで私見です)。結論として、インターンシップ研究にこそ、方法上の必要条件として共創が求められます。

また、個人HPのimazemiに、
「日本のインターンシップ研究・実践資料室」
https://imazemi.com/research/internship-lab/ 
を新たに開設しました。

目次

目次

  1. 1 「インターンシップ」という言葉が、話をかみ合わなくしている
  2. 2 全体地図は3つの層でできている
  3. 3 「何日か」ではなく「どこまで仕事を担うか」
  4. 4 日本で行われている12の類型
  5. 5 地図の上に置くと、集中と空白が見える
  6. 6 いつ・何で測るのか――境目は「卒業・入社」
  7. 7 誰が、地図のどこを見てきたのか
  8. 8 なぜ研究が進まなかったのか――6つの断絶
  9. 9 だから共創が必要になる
  10. 10 おわりに

1 「インターンシップ」という言葉が、話をかみ合わなくしている


企業の人事担当者が言う「うちのインターンシップ」は、多くの場合、1日から5日間の採用広報型プログラムです。大学のキャリアセンターの方が言う「インターンシップ」は、夏休みに2週間、単位を出して学生を送り出す科目です。私が20年近く関わってきた長期実践型インターンシップは、学生が半年間、経営者のそばで新規事業を担うものです。

三者は同じ言葉を使いながら、まったく別のものを思い浮かべています。この状態で「インターンシップに効果はあるか」と問うても、答えは出ません。
どのインターンシップの、誰にとっての、いつの時点の効果かが決まっていないからです。

これまでは「短期か長期か」の二分法で整理されることが多く、私自身も入門編ではまず期間と目的の2軸から説明しました。
ただし、研究として扱うには、実践として理解するには、もう一段細かい地図が必要だと感じています。

2 全体地図は3つの層でできている

インターンシップを取り巻く条件は、性質の違う3つに分けられます。
Aが前提条件、Bがプログラム設計、Cが効果の把握です。

Aの前提条件は、「誰が・なぜ」を問う層です。
企業の目的は、採用だけではありません。
①採用
②CSR(学生や大学への支援)
③事業価値の向上
④社員の人材育成や組織風土の改革
⑤人的資本開示
の5つがあります。

学生の目的も
①就職活動
②有償の場合はアルバイトの一環
③成長
④人脈づくり
⑤興味関心の探索
と幅があります。

大学の目的には
①産学連携の一つ
②正課での連携
③正課外の連携
④研究との関連
⑤授業との関連
があります。

もちろんこれ以外にも色々とあると思います。

さらに、ここに、企業の規模と業種、学生の学年、関連する学問領域という条件が加わります。

三者の目的は、一致している必要はありません。

ただし、誰の目的が「主」で、誰の目的が「従」なのかは、プログラムごとに異なります。
これを明確にすることは重要です。

これがごっちゃになってることが混乱の1番の要因だと考えています(企業のためのインターンシップ実施マニュアルという書籍を記載した時から主張しています)

例えば、1日のプログラムでは企業の採用目的が主で、大学の目的はほぼ不在です。正課の科目では大学の教育目的が主で、企業はCSRとして協力しています。この「目的の主従」が、プログラムの性格を根本で決めます。

Bのプログラム設計は、「何を・どのように」を問う層です。
ここには5つの軸があります。
B1が就業体験の実質度
B2が主導主体
B3が第三者コーディネーターの有無
B4が採用との接続
B5が実施条件です。

「短期か長期か」は、この5軸のうちB1に関わる一つの変数にすぎません。

Cの効果の把握は、「いつ・何で測るか」を問う層です。
参加前後から入社5年以上までのフェーズと、学生・企業・地域それぞれの指標があります。ここが本稿の出発点です。

これまでの議論の多くは、Aの目的論か、Cの効果測定のどちらかに寄っていました。両者をつなぐB、つまり「実際に何をやったのか」の記述が粗いままでは、効果を測っても、何の効果だったのかが分かりません。

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3 「何日か」ではなく「どこまで仕事を担うか」


Bの5つの軸を、順に見ていきます。

B1 就業体験の実質度
第一の軸は、学生がどこまで実際の仕事を担うかです。6段階に分けます。
L1 見学・説明……会社説明、職場見学。
L2 模擬ワーク……架空の課題に取り組むグループワーク。
L3 短期の課題発見・解決プレゼン……模擬から実践へ踏み出す段階。実在の課題に短期間で取り組み、提案する。
L4 実務補助……職場に配属され、社員の業務を補助する。
L5 プロジェクトを任される……一定期間、自分の担当として仕事を持つ。
L6 事業責任を負う……成果に責任を持ち、事業の一部を担う。

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この6段階には、押さえておきたい点が3つあります。

第一に、日本で最も件数が多いのは、L2からL3にまたがる、5日間前後のプログラムです。日数で言えば「短期」とひとくくりにされますが、その中身は模擬ワークと実在課題への取り組みの間で大きく振れています。

第二に、L3は、課題が実在するかどうか、提案が実際に採用されて実行されるかどうかで、質が大きく変わります。提案で終わるL3と、実装まで進むL3は、区別して捉える必要があります。

第三に、L4以上になると学生が実際の業務を担うため、労働者性をはじめとする労働法上の論点が生じやすくなります。有償か無償か、安全配慮をどうするかといった実務的な課題は、この段階から先の話です。

B2 主導主体
第二の軸は、誰がプログラムを主導するかです。組織の種別ではなく、機能で3つに分けます。

受入組織単独……自組織に学生を受け入れ、自ら企画・運営する。企業に限らず、NPO、自治体、経済団体が自ら受け入れる場合もここに含めます。
大学……教育課程や大学の事業として企画する。
中間支援組織……自らは受け入れず、複数の受入組織と学生・大学を伴走支援する。

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自治体や経済団体には、2つの顔があります。役所や団体の事務局で学生を受け入れる場合は受入組織単独ですが、県内企業のインターンシップ事業を束ねて主催する場合は中間支援の機能を果たしています。同じ組織でも、機能によって位置が変わります。

B3 第三者コーディネーターの有無
第三の軸は、受入組織と学生の間に立ち、プログラムの設計・マッチング・伴走を担う第三者がいるかどうかです。これは、長期実践型インターンシップを他の類型と分ける決定的な軸です。中間支援組織が主導する場合はほぼ必ず介在しますが、大学が主導する場合でも学内にコーディネーターを置く例があるため、B2とは別の軸として立てています。

B4 採用との接続
第四の軸は、プログラムが採用選考とどうつながっているかです。大きく3つに分けられます。
切り離されている……参加しても選考上の扱いは変わらない。正課の科目や1日のプログラムの多くがこれにあたります。
ゆるやかにつながっている……参加者に早期選考の案内や一部選考の免除がある。5日以上のプログラムに多く見られます。
直接つながっている……プログラムでの働きぶりが、そのまま採用の判断材料になる。有償の長期インターンや内定者型が典型です。

同じ5日間のプログラムでも、この接続の仕方によって、学生の参加動機も企業の設計も変わります。

B5 実施条件
第五の軸は、正課か正課外か、有償か無償か、対面かオンラインか、都市か地方か、です。

4 日本で行われている12の類型

以上の軸を踏まえて、現在の日本で行われているものを12の類型に整理します。各類型のあとに、その類型が地図のどこに位置するか(主導主体と実質度)を添えました。これは現時点での私の整理です。

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1 1Day型(受入組織単独・L1〜L2)
半日から1日。会社説明、職場見学、簡単なワーク。企業主導で、採用広報と母集団形成が目的。
2 5日以上の短期型(受入組織単独・L3〜L4)
5日から2週間。企業主導。グループでの課題解決や職場体験を通じて、企業は学生を知り、学生は適性を確かめる。採用とゆるやかにつながることが多い。職場に配属される形をとればL4にあたります。
3 専門を活かす2週間以上型(受入組織単独・L4)
理工系を中心に、大学での専門を実地で使う。研究室経由の受入も多い。
4 ジョブ型研究インターンシップ(受入組織単独・L5)
2か月以上・有給。主に博士課程が対象。研究と採用が接続する。
5 正課のキャリア教育型(大学・L4)
1〜2週間。大学主導で単位を認定。低学年が中心。企業はCSRや大学との関係構築として協力する。
6 コーオプ教育・臨地実務実習型(大学・L5)
数か月から600時間規模。教育課程の中核に位置づく。専門職大学の実習はここに入る。
7 長期実践型(中間支援組織・L5〜L6)
3〜6か月以上。中間支援組織がコーディネートする。企業の目的は、事業価値の向上、経営者の右腕づくり、組織変革。
8 有償長期インターン(受入組織単独・L5〜L6)
半年から数年。都市部のベンチャー企業に多い。戦力化と採用が目的。学生は収入・スキル・人脈を得る。
9 地域型(中間支援組織・L3〜L4)
数日から数週間。自治体や経済団体が主催。地域の人材確保とUIJターンの促進が目的。
10 PBL・課題解決型(大学・L3)
数週間から半期。大学主導で、企業が課題を提供する。就業体験を伴わないものも多く、インターンシップに含めるかどうかは境界線上にある。
11 海外インターンシップ(大学・L4)
大学や斡旋事業者が主導。留学制度と連動する。
12 内定者・入社前型(受入組織単独・L5)
数か月。早期の戦力化と定着が目的。

このほか、教育実習や看護実習などの資格系実習、高校生の就業体験、社会人の副業・越境学習が、隣接領域として存在します。どこまでをインターンシップと呼ぶかという境界を示すことも、地図の役割です。

5 地図の上に置くと、集中と空白が見える

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12の類型を、縦に実質度(L1からL6)、横に主導主体(受入組織単独・大学・中間支援組織)を取った平面に置いてみると、3つのことが見えてきます。

第一に、左上に件数が集中していることです。「受入組織単独×L1〜L3」、つまり1日から5日程度のプログラムに、日本の実施件数の大半が集中しています。「インターンシップ=就活の一部」という世間のイメージは、この一角を見ているにすぎません。

第二に、右下で企業の目的が変わることです。「中間支援組織×L5〜L6」、つまり長期実践型が位置する領域は、件数こそ少ないものの、企業の目的が採用以外に広がる領域です。事業価値の向上や組織変革は、学生が実際に仕事を担い、第三者が伴走する設計があって、初めて現実的な目的になります。長期実践型が独自に位置づくのは、期間が長いからではありません。企業目的が採用ではなく事業価値・組織変革であること、そして第三者が介在することの2点によるものです。

第三に、「大学×L6」が空白であることです。大学が主導しながら、学生が本当に仕事を担い、事業に責任を持つところまで踏み込むプログラムは、日本ではまだ少数です。L5までは、コーオプ教育や専門職大学の臨地実務実習が埋めています。しかしその先、学生が事業の成果に責任を持つ段階を教育課程に組み込んだ例は、ほとんどありません。

6 いつ・何で測るのか――境目は「卒業・入社」


次に、Cの効果の把握に移ります。効果を測る時点(フェーズ)は6つに分けられ、フェーズごとに、学生・個人の指標と企業の指標が変わります。

参加前後(1〜3年生)……学生側は満足度、自己効力感、社会人基礎力、キャリアレディネス。企業側は受入負担、社員の変化。
就職活動期……志望度、内定、業界選択。企業側は応募・採用への転換率、採用コスト。
入社時……リアリティショック、期待とのギャップ。企業側はミスマッチの低減。
入社〜1年……組織社会化、職場への適応。企業側は早期離職、立ち上がりの速さ。
3年以上……定着、パフォーマンス、キャリア自律。企業側は定着率、中核人材化。
5年以上……キャリアの軌跡、地域定着、起業。企業側は組織風土、事業成果、人的資本開示。

この6つのフェーズに、研究の蓄積はまったく均等に分布していません。私の見立てでは、参加前後が厚く、就職活動期が中程度、入社時と入社〜1年は薄く、3年以上はほぼ空白、5年以上は空白です。しかも、蓄積が厚い参加前後の研究も、単一事例の前後比較に偏っており、就職活動期の研究は調査会社のデータが中心です。

ここで重要なのは、「卒業・入社」がひとつの境目になっていることです。この線の左側、つまり在学中のデータは主に大学が持ち、右側、つまり入社後のデータは主に企業が持っています。入社後の研究が空白なのは、研究者の関心が薄いからだけではありません。データの持ち主がこの線で分かれているからです。この点は、第8節の「時間軸の断絶」につながります。

第4節の類型とこのフェーズを掛け合わせれば、「どの類型の、どのフェーズが、まだ分かっていないか」を一枚で示せます。それが次の課題です。

7 誰が、地図のどこを見てきたのか


では、この地図のどこを、どんな研究者が担ってきたのか。インターンシップを扱う研究分野は、大きく12あります。系統ごとに、代表的なキーワードと、主に扱っている領域を挙げます。

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教育・心理系
高等教育論・教育社会学……学校から職業への移行、キャリア教育、正課化、学修成果、大学改革。大学主導のL1〜L3と、在学中のフェーズを主に扱う。
教育工学・学習科学……経験学習、リフレクション、PBL、ルーブリック、学習評価。プログラム内の学習設計を扱う。
キャリア心理学……キャリアレディネス、自己効力感、キャリア・アダプタビリティ、職業的アイデンティティ。学生個人の参加前後を扱う。
工学教育・専門分野別教育……コーオプ教育、産学連携教育、技術者教育、WIL(Work-Integrated Learning)。大学主導のL4〜L6を扱う数少ない分野。

経営・経済系
人的資源管理・組織行動……採用、RJP、組織社会化、リアリティショック、早期離職、オンボーディング、人的資本。受入組織単独のL1〜L4と、就職活動期から入社後を扱う。
人材開発・越境学習……越境学習、被越境学習、社員の成長、メンタリング、組織風土。L5〜L6における受入側の社員と組織の変化を扱う。
労働経済学……マッチング、シグナリング、新卒一括採用、賃金・定着効果。マクロな効果を扱うが、プログラムの中身は問わないことが多い。
中小企業論・アントレプレナーシップ……右腕人材、新規事業、経営革新、事業承継、ベンチャー。中間支援組織のL5〜L6や有償長期型を扱う。

地域・政策系
地域政策・地域活性……地方創生、若者定着、UIJターン、関係人口、社会関係資本。中間支援組織が関わる領域全体と、地域への波及を扱う。
NPO論・公共政策……中間支援組織、コーディネーター、協働、政策評価。B2・B3の軸そのものを扱う。

制度・比較系
労働法……労働者性、有償/無償、安全配慮、保険、ハラスメント。実質度がL4を超えると避けて通れない。効果ではなく制度の問題を扱うため、フェーズの軸には関心を持たない。
比較・国際教育……WIL、Co-op、海外インターンシップ、国際比較。制度の国際比較を扱う。

同じ「インターンシップ」を扱っていても、使う言葉がこれだけ違います。論文を検索するとき、どの言葉で探すかによって、見つかる研究がまったく変わるということでもあります。

そして、この一覧を地図の上に重ねると、誰も主戦場にしていない領域が浮かび上がります。「大学×L4〜L6」「入社〜1年」「3年以上」です。第5節で空白と指摘した領域、第6節で薄いと指摘したフェーズは、それを担う研究分野が存在しないことと対応しています。

各分野は、自分の道具で見えるところだけを照らしてきました。心理学者は学生の内面を、人事研究者は採用と定着を、地域研究者は若者の定着を見ます。どれも正しい見方ですが、全体を見ている人はほとんどいません。(知らないだけかも知れません)

8 なぜ研究が進まなかったのか――6つの断絶

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「学際的だから難しい」で終わらせず、構造として示します。研究が進まなかった理由は、6つの断絶に整理できます。

① 分析単位の断絶
心理学は個人、人的資源管理は組織、地域政策は地域、高等教育論は制度を単位とします。同じプログラムを見ても、測るものが違う。だから知見が積み上がりません。

② 時間軸の断絶
教育系の研究は卒業で終わり、経営系の研究は入社から始まります。大学は卒業後を追えず、企業は入社前を知りません。第6節で述べた「卒業・入社」の線が、そのまま研究の断絶線になっています。

③ 対象の断絶
同じ「インターンシップ」という語で、ある研究者は1日のプログラムを、別の研究者は正課科目を、また別の研究者は半年間の長期実践型を指しています。互いの知見を一般化し合えない。第1節で述べた問題は、研究の世界でも起きています。本稿の地図は、この断絶への処方箋でもあります。

④ 本拠地の不在
どの分野でも、インターンシップは周辺テーマです。科研費の審査区分を見ても、インターンシップを名称に含む小区分はありません。各分野の主要な学術誌では、中心的な業績として評価されにくい面があります。

⑤ 媒体の分散
筆者らが進行中のレビュー研究の初期検索では、「インターンシップ」に関する文献は、学術雑誌よりも大学紀要にはるかに多く掲載されていました。成果が紀要に分散すると、査読や相互引用を通じた蓄積が働きにくくなります。

⑥ 実践と研究の断絶
データと現場は企業や中間支援組織が持ち、理論と方法は研究者が持っています。実践者は日々の業務に追われ、研究に参加する余裕がありません。加えて、参加者の自己選択バイアス、サンプルの小ささ、介入を統制する難しさという方法上の壁もあります。

9 だから共創が必要になる

6つの断絶は、一人の研究者の努力では越えられません。必要なものは3つあります。

データ。入社5年後の効果を知るには、大学が持つ在学中のデータと、企業が持つ入社後のデータをつなぐ必要があります。企業・大学・中間支援組織が、それぞれのデータを持ち寄らなければなりません。

理論と方法。長期実践型の価値を示すには、学生の成長、企業の事業成果、地域への波及を、同じプログラムについて同時に測る必要があります。心理学、経営学、教育学、地域研究の研究者が、分析単位と時間軸を持ち寄る必要があります。

現場。何をやったのか、つまりBを正確に記述できるのは、実践者、コーディネーター、学生です。彼らが記述に参加しなければ、効果は「何の効果か」を失います。

だからこそ、インターンシップ研究において、共創は理念ではありません。縦断的で多主体の効果検証を行うための、方法上の必要条件です。

本稿の地図は、そのための共通言語として作りました。
「私が話しているのは、受入組織単独のL3、就職活動期の話です」「私は中間支援組織のL5、入社3年後を見ています」と言えるようになれば、議論はかみ合い始めます。

10 おわりに


「短期か長期か」は、地図の上では一つの変数にすぎません。誰の目的が主か、どこまで仕事を担うか、誰が主導し、第三者が伴走するか、そしていつ何で測るか。これらを分けて考えると、インターンシップという一語の中に、これだけ多様な営みがあることが見えてきます。
12類型も、研究蓄積の濃淡も、分野の対応も、まだ私の見立てによるたたき台です。これからさらにインターンシップ研究が進展するために貢献できればと思っております。

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