研究テーマ

研究と実践を往還しながら、地域・若者・企業が共創する場づくりを軸に、4つの研究テーマに継続的に取り組んでいます。

これらのテーマは、2021年3月に岐阜大学工学研究科で取得した博士論文「若者と地域企業の協働において地域イノベーションを生み出す『場』」を理論的基盤として、相互に関連し合いながら発展しています。

学術と実践の両軸から研究を続けており、研究成果は書籍・論文・各種メディアでの発信を通じて、社会に還元しています。

1.インターンシップ・ボンディングシップ・長期実践型インターンシップ

学生が一定期間、企業や地域の現場に深く入り込み、本気で課題に取り組む「長期実践型インターンシップ」を中核に、人と人・人と組織・人と地域が深く結びつきながら学び成長する関係性をCoIU(=Co-Innovation University)独自の造語=「ボンディングシップ」という独自の概念として研究しています。

長期実践型インターンシップは、単なる就業体験ではなく、学生・企業・大学・地域が共創する場そのものです。
私の研究では、参加学生の追跡調査、コーディネーターの専門性、企業視点での効果検証、地域への波及効果など、多角的な分析を続けています。

そして、長期実践型インターンシップを通じて生まれる関係性、企業内での人材育成における関係性、地域コミュニティでの関係性に共通して見られる「人と人が深く結びつき、相互に成長する関係性」を、私はCoIUでの取り組みの中で、「ボンディングシップ」として実践し、新たな概念を研究対象としても継続して取り組んでいきます。

2026年1月にコー・イノベーション大学(CoIU)に着任して以降は、専門職大学における長期実践型インターンシップの実践を新たな研究フィールドとして展開しています。岐阜県飛騨市を拠点としつつ全国に連携拠点を持つCoIUの「まちなかキャンパス」構想、全国をフィールドとした実践、理論と対話と実践をキーワードとする共創は、長期実践型インターンシップを大学教育の中核に位置付けた、さらに発展したこれまでにない教育モデルで、これらを通して日本の未来を共創することにつながると確信しています。

主な実績:

書籍・論文

・編著『長期実践型インターンシップ入門』(ミネルヴァ書房, 2024年)

・「企業から見たインターンシップ」(『最新インターンシップ』第4章, 学文社, 2023年)

・『企業のためのインターンシップ実施マニュアル』(共著・第2章〜第5章, 日本能率協会マネジメントセンター, 2021年)

・「中小企業にとっての長期実践型インターンシップの活用意義」(招待論文, 商工金融, 2024年8月号)

・「地域とともに未来を共創する大学 ─ 理論・実践・対話を特徴とするCoIUの挑戦」(『大学時報』第426号, 日本私立大学協会, 2026年1月)

受賞

・日本インターンシップ学会 槇本記念賞「秀逸な事例」第4回(2021年)・第5回(2023年)受賞

・学生が選ぶインターンシップアワード 2025 入賞

学会役職

・日本インターンシップ学会 常任理事(東日本支部 支部長, 2025年6月〜)

研究助成

・篠原財団 助成金(195万円)「過疎地域の長期実践型インターンシップ」研究代表者(2025年3月〜2026年9月)

2.地域中小企業のイノベーション・越境学習・被越境学習・ミギウデ・ローカルキャリア

地域中小企業が、若者や外部人材との協働を通じて新しい価値を生み出していくプロセスを、複数の概念を結びつけながら研究しています。

地域中小企業のイノベーション

人口減少・人材確保困難・後継者不足といった社会課題に直面する地域中小企業にとって、イノベーションは生存と発展のための必須テーマです。私の研究では、若者と地域中小企業が深く関わり合う「場」を媒介として、双方が学び成長し、結果的に新しい事業価値が生まれていく現象を、実証的に分析しています。

越境学習・被越境学習

組織や地域、専門分野の境界を越えて学び合う「越境学習」、そして越境者を受け入れる側もまた学びを得て変化・進化する「被越境学習」の両面から、人と組織の変容プロセスを研究しています。副業・兼業・プロボノなど、組織の境界を越えた働き方が一般化する中で、越境者本人だけでなく、受け入れる組織側も大きく変容します。この双方向の学びこそが、現代の組織と個人の成長を促す重要な機会です。

ミギウデ

中堅・中小企業の経営者の「ミギウデ」として、信頼関係に基づく深い協働・共創を続ける人材のあり方を研究しています。これは単なる従業員でも、外部のコンサルタントでもなく、経営者と同じ視座で事業を考え、実践、また伴走する存在です。長期実践型インターンシップの経験者の中から、こうした「ミギウデ」として活躍する人材が生まれることを実証的に確認しています。

ローカルキャリア

地域に根を張ってキャリアを築くことの意義と、その方法論を研究しています。私自身が銀行員時代に名古屋にUターンし、地域での産学連携・市民活動・研究を続けてきた経験を理論化することで、若者にとって魅力的な「ローカルキャリア」の選択肢を社会に提示することを目指しています。

主な実績:

・「協働・共創による外部資源を活用した実践経営」(『経営専門職入門』第2章, 日科技連出版社, 2021年)

・「働き方の多様性 ─所属や地域を超えた新しい働き方と学び方」(『危機管理の基礎と実践』所収, 共著, グローバルビジネス学会・危機管理研究部会, 2025年)

・「インターンシップによる地域連携」(『地域活性化未来戦略』所収, 共著, ぎょうせい, 2024年1月)

・「プロボノとはなにか」前後編(マイナビ キャリアリサーチLab, 2024年)

・厚生労働省「副業・兼業を通じたキャリア形成及び企業内での活躍に関する調査研究事業」検討会委員

・東京中小企業投資育成株式会社、日本能率協会、愛知中小企業家同友会等での多数の講演

3.共創の場・関係人口

地域・組織・個人が、一方的な関係ではなく、相互に学び合い、共に新しい価値を生み出す「共創の場」のメカニズムを研究しています。

博士論文「若者と地域企業の協働において地域イノベーションを生み出す『場』」(岐阜大学, 2021年3月)を理論的基盤として、地域イノベーションが生まれる「場」の条件、そこで結ばれる関係性、関係人口創出への寄与などを、実証的に分析しています。

この研究は、ハードな施設や制度ではなく、ソフトな「人と人の関係性」「対話と協働の場」「越境と相互理解」が、地域や組織の創発的な変化を生み出すメカニズムを解明することを目指すものです。

2020年から2023年にかけて取り組んだ「Cue Dream PJ」プロジェクトでは、コロナ禍の中でオンライン環境を活用した共創空間の可能性を実証研究として探求しました。「物理的に離れていても、人と人の深い関係性は生まれ得るのか」「オンラインの場における共創とは何か」を問い直す研究です。

「共創」をキーワードとした書籍『共創の強化書』(共著・1章/2章/7章/終章担当, 中央経済社, 2023年)を執筆し、コー・イノベーション大学(CoIU)の理念とも深く関連する研究テーマです。

主な実績:

博士論文

・「若者と地域企業の協働において地域イノベーションを生み出す『場』」(岐阜大学工学研究科, 2021年3月)

書籍・論文

・『共創の強化書 ─学び成長し続ける自分の作り方─』(共著・第1章/第2章/第7章/終章, 中央経済社, 2023年)

実践活動

・市民活動団体 NAGOYA×FOREVER 設立(2012年〜)

・NPO法人まちづくり刈谷 理事(2023年〜)

・名古屋市共創コーディネーター(2020年〜2024年)

研究助成

・公益財団法人電気通信普及財団 2021年度研究調査助成(200万円)「オンライン環境での共創空間の可能性 ─Cue Dream PJにおける実証研究─」研究代表者(2022年4月〜2023年3月)

4.その他(共同研究・関連活動)

上記3軸に加え、関連する研究領域での共同研究や活動にも継続的に取り組んでいます。

実務家教員・教職員協働の研究

「実務家教員」として大学で教える立場から、実務家教員のリフレクションや、教職協働のあり方について研究しています。日本実務教育学会の副会長として、学会活動を通じて実務家教員の専門性向上にも貢献しています。

ジョブ型雇用が広がる中で、専門職大学における実務家教員の役割は、これまで以上に重要になっています。実務家教員が学生の「実務実習プログラム」を効果的に設計し、ジョブ型雇用の現場と教育を結びつけることが、これからの職業教育に求められています。

主な実績:

・「実務家教員のリフレクション」(『実務家教員のこれまで・いま・これから』 共著, 2024年3月)

・日本実務教育学会 副会長(2025年6月〜)

・進化型実務家教員養成プログラム(TEEP)ニュースレターVol.14(2021年4月)、Vol.25(2022年3月)掲載

研究助成

・科研費 基盤研究(C)「ジョブ型雇用に結びつく専門職大学の実習への実務家教員の役割」研究分担者
(課題番号25K06015, 2025年4月〜2029年3月)研究分担者(研究代表者:福田稔・開志専門職大学 准教授,)

人事労務・キャリア教育の研究

中小企業の人事労務管理、新しい採用手法、キャリア教育全般についても、共著の形で研究を進めています。

主な実績:

・「026 インターンシップ」「028 採用の新手法」「063 兼業・副業」(『新・マテリアル人事労務管理』所収, 共著, 有斐閣, 2023年12月)

・名古屋産業大学・経営専門職学科の立ち上げ(日本初の経営専門職学科, 20単位のインターンシップが必修)

研究と実践を結ぶ書籍・論文の発信

これらの研究テーマでの成果を、書籍・論文・各種メディアでの発信を通じて、研究者だけでなく、企業の人事担当者・自治体・教育関係者・学生・若者の皆様にもお届けしています。

詳しくは以下のページもご覧ください。

著書・出版

メディア掲載・取材

researchmap(全研究業績)

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